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COLUMN

車の暖房が効かない原因は?冷たい風しか出ないとき、修理費用、走っていいか

寒い朝、いくら走っても温かい風が出ない。去年より温まるのが遅い。冬に多い暖房の不調を、症状から順に見ていきます。

先に結論

  • 車の暖房は、エンジンで温まった冷却水の熱を使っています。冷却水やその流れに不調があると、温かい風が出ません。
  • 多い原因は、冷却水の不足、サーモスタットの不調、ヒーターコアの詰まりや漏れです。風そのものが出ないなら、送風の部品を疑います。
  • 修理費用は、冷却水の補充なら数千円、サーモスタットの交換で1万円〜数万円、ヒーターコアの交換で5万〜15万円ほどという公開例があります。
  • 水温計が高い、警告灯が点いた、湯気が出たときは、走り続けないでください。オーバーヒートにつながります。

車の暖房は、どうやって温めている?

エンジンの熱を使っています。エンジンを冷やすために回っている冷却水は、走るうちに熱くなります。この熱い冷却水を、車内側にある小さなラジエーターのような部品(ヒーターコア)に通し、そこに風を当てて温かい風にしています。

JAFも、ガソリン車の暖房はエンジンの排熱を使って空気を温めるため、燃費には大きく影響しないと説明しています。逆に言えば、エンジンと冷却水が温まらないと、暖房も温かくなりません。

エアコンの「A/C」ボタンは、空気を冷やしたり湿気を取ったりするためのものです。暖める働きはありません。暖房が効かないときに、A/Cの故障を疑う必要はありません。

部品暖房での役割
冷却水エンジンの熱を運びます
サーモスタット冷却水の流れを調節し、エンジンを適温に保ちます
ヒーターコア熱い冷却水を通して、車内に送る空気を温めます
ブロアモーター温めた空気を車内に送り出す送風機です
温度を切り替える部品温風と冷風の混ぜ具合を変えて、設定の温度にします

原因は何?症状から見分けるには

当店で多いのは、冷却水の不足や漏れ、サーモスタット、ヒーターコアです。

「風は出るのか」「水温計はどうか」の2つで、だいたいの当たりがつきます。最近の車は水温計がなく、エンジンが冷えている間だけ青や緑のランプが点く車もあります。

症状考えられる原因
風は出るが、ずっと冷たい、ぬるい冷却水の不足、サーモスタット、ヒーターコアの詰まり
温まるまで、前より時間がかかるサーモスタットが開いたままになっている
水温計が上がらない、青いランプが消えないサーモスタットが開いたままになっている
水温計が高い、赤いランプが点く冷却水の不足や漏れ、サーモスタットが閉じたまま。オーバーヒートの手前
風そのものが出ない、強さを変えても同じブロアモーター、ヒューズ、風の強さを切り替える部品
運転席側だけ、助手席側だけ温かくない温度を切り替える部品の不調
暖房を入れると、いつもと違うにおいがする冷却水の漏れのことがあります。冷却水には特有のにおいがあります

表は当たりをつけるためのものです。同じ「冷たい風」でも、原因が1つとは限りません。冷却水が減っていた原因が、別の所の漏れということもあります。

冷却水が減っている

まず疑う原因です。冷却水が足りないと、熱がヒーターコアまで届きません。JAFは、冷却水が漏れやすい所として、ラジエーター本体、ラジエーターホース、ヒーターホース、ウォーターポンプを挙げています。ホースのゴムは劣化でひびが入ることがあり、ウォーターポンプは回る部分のがたで漏れることがあるとしています。

駐車場に赤や青、緑の色がついた水のしみがあれば、冷却水かもしれません。JAFは、冷却水には色と特有のにおいがあると説明しています。漏れの見つけ方や修理の例は、ラジエーターの記事にまとめました。

サーモスタットが開いたまま

「温まるのが遅い」「ぬるい」ときに多い原因です。サーモスタットは、エンジンが冷えている間は冷却水をラジエーターに回さず、早く温まるようにする部品です。JAFも、冷却水を適温に保つための部品としてサーモスタットを挙げています。

部品メーカーのデンソーは、サーモスタットが開いたまま動かなくなると、エンジンをかけた直後から冷却水がラジエーターで冷やされ続け、次のようなことが起きると説明しています。

デンソーは、この症状は暖房の装置の故障と間違えられやすいとも書いています。冷えたまま走ると、燃費が悪くなるとも説明しています。オーバーヒートしないから大丈夫、というわけではありません。

反対に、サーモスタットが閉じたまま動かなくなると、冷却水がラジエーターに回らず、水温が急に上がります。こちらはオーバーヒートにつながるので、すぐに止めてください。

暖房は効かないのに、水温は高い

一番危ない組み合わせです。冷却水が減っていたり、空気が混ざっていたりすると、熱がうまく運ばれず、暖房はぬるいのにエンジンは熱くなります。

JAFは、ラジエーターキャップが傷んで圧力を保てない状態でテストをしています。エンジンが冷えるときに冷却水が戻らず、ラジエーターに空気を吸い込み、空気の混ざった冷却水が回ると冷やす力が落ちて、オーバーヒートに直結したと報告しています。暖房が急に冷たくなり、水温計が上がってきたら、すぐに安全な所へ止めてください。

ヒーターコアが詰まっている、漏れている

ヒーターコアの中は細い通り道になっていて、汚れやさびで詰まると、熱い冷却水が流れにくくなります。JAFは、冷却水にはさびを防ぐ働きがあり、さびが出ると冷却水の流れを妨げると説明しています。ヒーターコアは車内のダッシュボードの奥にあるため、交換になると内装を大きく外すことがあり、費用と日数がかかります。

実際に見た例では、サンバーでヒーターコアが壊れていて、暖房をつけたとたんに冷却水が漏れ出し、オーバーヒートしました。暖房をつけたら水温が上がった、冷却水が急に減ったというときは、ヒーターコアからの漏れも疑ってください。

風そのものが出ない

温度ではなく、風が出ないときは、送風の部品を疑います。ブロアモーターの故障、ヒューズ、風の強さを切り替える部品などです。強さを変えたときに、特定の段だけ風が出ない場合も、切り替える部品の不調のことがあります。

風が弱いだけなら、エアコンフィルターの目詰まりも疑ってください。JAFは、フィルターが詰まって風が弱くなると、フロントガラスも曇りやすくなると説明しています。

暖房を切っても温かい、温度が変わらない

温度を下げても温かい風が出る、設定を変えても同じ温度のまま、というときは、温風と冷風の混ぜ具合を変える部品の不調を疑います。冷却水やエンジンの不調ではないことが多いですが、どこが動いていないかは見て確かめます。

冷房は効くのに、暖房だけ効かないのはなぜ?

冷房と暖房は、熱の元が違うからです。冷房はエアコンのガスとコンプレッサーで空気を冷やします。暖房はエンジンの冷却水の熱を使います。そのため、冷房がよく効いても、暖房の側に不調があることは十分にあります。

反対に、暖房は効くのに冷房だけ効かないときは、エアコンのガスやコンプレッサーの側を疑います。当店でも、エアコンのガスが減って冷えなかったプジョー RCZの事例があります。

暖房が効かないまま、走っていい?

症状で変わります。

状態どうするか
水温計が高い、赤い水温のランプが点いたすぐに安全な所へ止めてください。走り続けるとエンジンを傷めます
湯気が出る止めて、エンジンが冷えるのを待ってください。熱いうちにキャップを開けないでください
水温計は低いまま、温まりが遅いだけすぐ止まる心配は少ないですが、燃費が悪くなり、窓も曇りやすくなります。早めに見せてください
風が出ないだけエンジンへの心配は少ないですが、曇りが取れないと前が見えません。早めに見せてください

JAFは、オーバーヒートが進むと、エンジンの部品が壊れたり焼き付いたりして、大きな損傷になることがあると注意しています。警告灯の見方はエンジン警告灯の記事にまとめました。

JAFによると、エンジンをかけた直後に点く青や緑の水温のランプは、冷却水が冷たい間の表示で、走って温まると消えます。しばらく走っても消えないときは、冷却系の不具合も考えられるので点検をすすめています。

曇りが取れないときは?

暖房が効かない冬は、窓の曇りが一番困ります。JAFは、冬は車内より外の空気のほうが乾いていることが多いので、曇りを取るには外の空気を入れる「外気導入」が効果的だとしています。A/Cを入れると除湿もできます。それでも曇りが取れず前が見えにくいときは、運転しないでください。

修理費用は、いくら?

原因によって、数千円から10万円以上まで開きます。ほかの会社が公開している目安です。当店の料金ではありません。どれも掲載時の金額です。

作業公開されている目安預かりの目安
冷却水の補充、フィルターの交換数千円30分ほど
サーモスタットの交換1万円〜数万円半日ほど
ヒーターコアの交換5万〜15万円ほど数日〜1週間ほど

冷却水が減っていた場合は、補充だけでなく、漏れている所の修理が要ります。漏れがラジエーターだったときの当店の実例は、ラジエーターの記事に載せています。当店の金額は、車種と年式、原因を確かめてからお伝えします。作業をするときは、作業の前に金額をお伝えします。

自分でできることは?

冷却水が減っていても、足すだけで済ませないでください。減った理由が残っていると、また減ります。漏れ止め剤もおすすめしません。漏れている所を確かめて直すのが先です。

冷却水の交換の時期や、補充と交換の違いは、冷却水の交換の記事にまとめました。

冷却水の交換時期は?

車種で違うので、まず車の説明書やメンテナンスノートを見てください。最近の車は、長く使える冷却水が多くなっています。東京都自動車整備振興会の資料では、トヨタが2002年5月から、交換の目安が初回7年か16万km、その後は4年か8万kmごとの冷却水に切り替えたと紹介されています。

JAFは、冷却水には凍らない働きと、さびを防ぐ働きがあり、濃さが合っていないと十分な働きをしないと説明しています。同じ資料も、減った分を水道水で足し続けると、冷却水が薄くなると注意しています。量が減るのは漏れのサインなので、足す前に見せてください。

修理を頼む前に、確かめることは?

宝塚・伊丹・川西で、当店に相談するときは?

店を空けていることがあるので、ご来店の前にお電話かLINEでご連絡ください。お店は宝塚市安倉中、宝塚インターから車で約10分です。作業をするときは、作業の前に金額をお伝えします。次のことが分かると、話が早く進みます。

車種と年式:〇〇(20〇〇年)
走行距離:〇〇km
症状:風が冷たい、風が出ない、温まるのが遅い など
水温計やランプ:低いまま、高い、点いている など
いつから:今朝から、去年の冬から など

水温が高い、湯気が出たなど、動かすのが不安なときは、無理に走らず、レッカーで当店へお持ちください。お預かりしている車が多いときは、ご相談になることがあります。ほかの作業は整備・修理のページにまとめています。

よくある質問

車の暖房が効かない原因は何ですか?
多いのは、冷却水の不足、サーモスタットの不調、ヒーターコアの詰まりや漏れです。風そのものが出ないなら、ブロアモーターなど送風の部品を疑います。
冷房は効くのに、暖房だけ効かないのはなぜですか?
冷房はエアコンのガス、暖房はエンジンの冷却水の熱と、熱の元が違うからです。冷房が効いても、暖房の側に不調があることがあります。
暖房をつけるとき、A/Cボタンは必要ですか?
暖めるだけなら要りません。A/Cは冷やしたり湿気を取ったりするためのものです。窓が曇るときは、A/Cを入れると曇りが取れやすくなります。
暖房はガソリンを使いますか?
JAFは、ガソリン車の暖房はエンジンの排熱を使うため、燃費には大きく影響しないと説明しています。
サーモスタットの交換費用はいくらですか?
1万円〜数万円という公開例があります。車種と部品で変わります。当店の金額は、車種と年式を確かめてから、作業の前にお伝えします。
水温計が上がらないのは故障ですか?
しばらく走っても上がらないなら、サーモスタットが開いたままになっていることがあります。燃費が悪くなり、暖房も効きにくくなるので、早めに見せてください。
暖房をつけると、変なにおいがします。
冷却水が漏れているかもしれません。水温計や警告灯も見て、早めに点検を受けてください。
暖房が効かないまま走っても大丈夫ですか?
水温が高い、警告灯が点いた、湯気が出たときは走らないでください。温まりが遅いだけでも、窓が曇りやすく危ないので、早めに見せてください。
冷却水は自分で足してもいいですか?
エンジンが冷えているときに、タンクの量を見るのはかまいません。ただ、減った理由が残っているとまた減ります。足して終わりにせず、漏れている所を見てもらってください。

車種と年式、症状をLINEで送ってください。水温計やランプの写真があると分かりやすくなります。

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